ローンの残りがあるときにマンションを売ることはできるのか

住宅ローンを使ってマンションを購入したのは良かったけれど、その後になって住み替えをしなければならなくなることもあります。まだローンが残っていると売れないのではないかと考える人もいるでしょう。ローンを返済し終えるまでずっと持っていなければならないとなると負担も大きいのは確かですが、本当に売ることはできないのでしょうか。

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抵当に入っている限りは売れないのが原則

マンションを売りたいと思ったときに重要なのはそのマンションの所有権が手に入っていることです。住宅ローンを組むときには購入するマンションを抵当に入れておき、ローンを返済できなかったときには金融機関がそのマンションを売ってお金を取り戻すという形になっています。

そのため、住宅ローンを使ってマンションを購入したときには名義上は自分のものになっていても、所有権を全面的に手に入れているわけではありません。

ローンを完済して初めて自分のマンションだと主張できるようになるのです。このため、マンションが抵当に入っている限りは自分の判断だけで売ることはできないというのが原則になっています。


ローンを繰り上げ返済してしまえば売れる

住宅ローンは長期ローンにするのが一般的なので、マンションを売ろうと思ったときにはまだ十年や二十年も返済期間が残っていることも珍しくありません。その間はずっとマンションを所有し続けて返済をしなければならないのかと思う人もいるでしょう。

しかし、住宅ローンに限らず、一般的なローン商品には繰り上げ返済のシステムがあります。繰り上げ返済とは当初の返済計画よりも前倒しをしてローンの一部または全額を返済してしまう方法です。繰り上げ返済をするときには手数料がかかるのが一般的ですが、このシステムを利用してローンを完済してしまえばマンションの所有権を手に入れることができます。

売りたいと思ったときに資金的な余裕があるならまずは返済を終えてしまってから売りに出すというのが賢い方法でしょう。

買い替えローンを使うことも可能

もし今住んでいるマンションを売って引越しをし、その引越し先で新たにマンションを購入したり、注文住宅を建てたりしたいと思っているなら買い替えローンを使うことも可能です。既に一つ住宅ローンを組んでいる場合には、新たにマンションの購入や注文住宅の建築のために住宅ローンを組むことは原則としてできません。

しかし、新たな家を買いたいという人のニーズに応えるためのローン商品を金融機関が提供しているのです。買い替えローンは住宅の住み替えをするときに、ローンをまとめてくれる仕組みになっています。新たに購入するマンションや注文住宅にかかる費用をローンで貸してくれますが、それに加えて、以前のマンションを購入したときに組んだローンの残債が加算されることになります。

つまり、残債が2,000万円残っていて、これから買うマンションが4,000万円なら6,000万円のローンを組むという形になるのです。

残債も含めて6,000万円も借りられる年収があるか、収入が安定しているかといった点は厳しく審査されることになります。しかし、金融機関と保証会社が定めている条件さえ満たしていれば、買い替えのときには残債があってもマンションを売ることができるのです。

売って手に入れたお金で返済することもできる

マンションを売ればお金ができるので、そのお金を使えばローンを返済できるというケースもあるでしょう。しかし、所有権を移転するためにはマンションの所有者になっていなければなりません。取引の順序を考えると原則としてローンの残債が残っているマンションを売ることができないのは明らかでしょう。

残債が残っているマンションを売買できないので、その対価としてのお金を手に入れて返済をすることもできないからです。しかし、不動産会社や金融機関が間に立って、このような形での返済が成立することも珍しくありません。

不動産会社としては仲介をして手数料を手に入れることができれば利益になります。既に売買価格がほぼ決まっている状況になっているなら、その価格で売買をしたお金で返済できるかどうかを判断するのは簡単なことでしょう。

それなら不動産会社が持っている資金を返済のために使い、売買取引が終わった時点で手に入ったお金の一部をもらい受けるという形を取った方が不動産会社にとってはメリットがあります。仲介のときにはお金のやり取りは全て不動産会社が間に立つのが基本です。

買い手から預かったお金の一部を清算金として徴収するという形で確実にお金を確保できるのでサービスとして行っていることがよくあります。一方、不動産会社が応じてくれない場合にも買い替えローンと同様にして金融機関が立て替えてくれることもあります。

ただし、買い替えローンを利用するというようなローンの組み換えがないと金融機関としてはメリットがありません。そのため、一般的には個人が金融機関に依頼しても応じてもらうことはできず、不動産会社経由での依頼によって承諾を得られるという形になっています。

住宅ローンを利用するときに不動産会社から紹介を受けた金融機関を選んでいると、このような柔軟な対応をしてくれることが多く、役に立つでしょう。

場合によっては持ち続けるのも合理的

繰り上げ返済をしたり、売却によって得られたお金の一部を使って返済したりする方法は合理的な方法でしょう。しかし、マンションを売るのを焦らずに持ち続けた方が良い場合もあります。所有し続けていると税金がかかってしまうのは確かで、さらにマンションの価値も下がってしまうのも事実です。

しかし、状況によってはそれ以上にメリットが生まれることもあります。例えば、マンションを買ってから4年程度しか経っていないという場合には5年を超えるまで持っていると譲渡所得税が低くなります。また、あと1年くらいで完済できるという場合には繰り上げ返済をするよりも、1年かけて返済した方がトータルで支払う額が少なくて済むことも稀ではありません。

5年を超える時点、あるいは完済と同時に売れるように不動産会社と相談しておけば税金の支払いも最小限に抑えることができるでしょう。売買契約のときには引き渡しのタイミングも調整できるので、長期譲渡所得として認められる日やローンを完済させられる日などを引き渡し日にして契約するのも合理的な方法です。

参考情報(マンション売却